モンゴルカレッジ2015 が 5月3日(祝、勤労感謝の日)、4日(祝、みどりの日)に、練馬区立光が丘図書館内2F視聴覚室で開かれます。
内容は以下の通りです。なお、詳細につきましては、「ハワリンバヤル2015実行委員会」にお問い合わせください。

*5月3日 

(1)1:00~2:00 「モンゴルの遊牧民の子供たちと学校」 浅沼 茂 
東京学芸大学総合教育科学系国際教育 教授
〔プロファイル〕 1951年生まれ、ウィスコンシン大学大学院博士課程修了後(Ph.D.) 聖路加看護大学、名古屋大学を経て、現職、これまでに安田忠彦との共著『カリキュラム研究入門』(勁草書房)、編著で『総合学習のカリキュラムをつくる』、『探究型学習をどう進めるか』(教育開発研究所)などがある。
〔要旨〕 JICAによるモンゴルでの初等教育における教育方法改善プロジェクトに参加し教育協力に携わった。 遊牧民のどもたちの生活は、ときどきテレビで紹介されることがある。でも、この子どもたちは、学校に行っているのだろうか、という質問をよく受ける。子どもたちは学校に行っている。小さな町や村学校に付設の寄宿舎に泊まりながら学校で生活し勉強をしている。他方、都市化する多くの学校の教育文書では、欧米流のカリキュラム名が去来する。彼らの教育は、何をめざすべきなのか。

(2)2:00~3:00 「歴史教育からみるモンゴル」 高橋 梢 
         東京外国語大学大学院博士後期課程 院生
〔プロファイル〕東京外国語大学大学院博士後期課程在学中(モンゴル教育史、歴史教育)。モンゴル国立大学、モンゴル国立教育大学に留学し、モンゴルの学校教育、とくに歴史教育や教科書制度の研究調査に従事。研究関心テーマは、歴史教育の変遷、学校教科書制度、図書館(公共、学校)のありかた等である。
〔要旨〕民主化から25年をむかえたモンゴル。社会主義国家建設のもとにかたられてきた「自国史」が、民主化後の歴史の見なおし作業をとおして、どのようにかたりなおしされるようになったのか。「モンゴル(国)人意識」の形成にひと役かっている歴史教育を材料に、未来をになう子どもたちに伝えようとしている「モンゴル」について一緒に考えてみたい。
      
<5分間の休憩>

(3)3:05~4:05 「実感するモンゴルの人的ネットワーク」 荒井幸康
        北海道大学スラブ研究センター共同研究員、亜細亜大学、東京大学等兼任講師
〔プロファイル〕1994年大阪外国語大学モンゴル語科卒、2004年一橋大学大学院言語社会研究科博士課程修了、博士(学術)、1995~1997年国立イルクーツク外国語教育大学講師(ロシア連邦)、2004年~2005年モンゴル発展調査センター客員研究員(モンゴル国)。
〔要旨〕20世紀、モンゴル系の人々のネットワークは、世界情勢によってアジアを飛び越え、ヨーロッパ,はてはアメリカまでにも拡大したが、20世紀末から21世紀にかけてさらにそのネットワークは拡大しつつある。20世紀までの歴史から、留学や各種学会で世界を巡った中でモンゴル人たちとの出会いの中で実感したモンゴル・ネットワークの現代までをお話ししたい。

(4)4:05~5:05 「日本とモンゴルの架け橋」―モンゴル人留学生の役割とはー ケレルサイハン・アリュナー 
一橋大学キャリア支援室
〔プロファイル〕2002年大阪外国語大学に留学。2007年一橋大学商学部卒業。2009年一橋大学商学研究科経営学修士コース終了(経営学士/MBA)。2009~2014年ダイキン工業株式会社を経て、現在一橋大学キャリア支援室にて留学生のキャリア・就職の取組みに関わっている。NPO法人 Meet the Smiles 地球の笑顔と出会う会会員。
〔要旨〕80年代の社会主義の時代のモンゴルに生まれ、90年代のモンゴルの変革期の苦難の中子供時代を過ごし、大志を持って日本に渡ってきたモンゴルの留学は多い。その一員として13年間の在住経験の中で学生、社会人、出産・育児する母親としての経験を通して感じてきたモンゴル人留学生の役割について思いをお話しします。

(5)5:05~6:00  交流会:在日モンゴル人同士の留学や就学等についての意見交換  〈於〉:第二会議室
モデレーター:ケレルサイハン・アリュナー
*5月4日

(6)1:00~2:00  「私が見たモンゴルと日本とモンゴル人と日本人」 ルンダワー・ダワージャラガル 
駐日モンゴル国大使館 参事官/商務経済担当
〔プロファイル〕1988年信州大学繊維学部卒、GOBIJSC勤務、Bridge Co., Ltd副社長、モンゴル国外務省/対外関係省日本担当官、駐日モンゴル国大使館2等書記官、Bridge Group CEO・会長経て2014年8月より現職
〔要旨〕私は東京オリンピックの年に生まれた。そしてバブル経済の真っ最中の1983年に日本留学。当時のモンゴルは社会主義だった。そして、モンゴルが民主化した1990年からモンゴル日本関係が活発化すると通訳、外務省職員、大使館員、民間会社の社長、帰国留学生の会の事務局長といった形で両国の関係にかかわり、モンゴルと日本とその関係を見て来ました。その32年通して、モンゴルと日本を身近に見てきた人物として私の個人的なエピソードもまじえて、主な出来事、生活習慣の変化、人格の変化を語りたい。

(7)2:00~3:00  「モンゴル国農牧業の現状と課題」 小宮山 博 
国際農業水産業研究センター企画調整部部長
〔プロファイル〕モンゴル農牧業研究により東京国際大学で博士(経済学)。在ブルネイ大使館書記官、モンゴル国派遣JICA専門家(農牧業政策担当)、農林水産省課長補佐などを経て現職。主な論文は『モンゴル国農牧業が蒙った2000~2002年ゾド(雪寒害)の実態』『急成長を遂げた酪農の現状と課題 -内モンゴル自治区を事例に-』等。元モンゴル国派遣JICA専門家(農牧業政策)、主著:『モンゴル 草原生態系ネットワークの崩壊と再生』
〔要旨〕モンゴル国では多くの国民の生業として遊牧経営が伝統的に営まれてきているが、社会主義計画経済体制時代、1990年の民主主義市場経済体制移行後、様々な変動にさらされてきた。近年では、2010年の記録的なゾド(寒雪害)以降、遊牧民数は減少を続けている。一方、作物生産は増加傾向にあり、小麦の生産はほぼ自給を達成している。本講演では、急速な経済成長下におけるモンゴル国の農牧業の現状とその課題について述べる。